2010年5月17日月曜日

集中の分散

今年の2月14日付けのブログに「休日の平準化と2極化」という内容を寄稿した。

今回は、その実証ともいう例の紹介です。

上社 里引き


今年のゴールデンウィク(GW)は、日の並びがよく、過去にない程の晴天に恵まれました。しかしながら、大半の旅館・観光ホテルでは5月1,2,3日は埋まるものの、4日は辛うじてという施設が大半。後半の5月5,6,7日に至ってはGW期間中であっても平日状態。さらに8(土)も敬遠され気味。

11連休と期待しても、勝負できるのはやはり4日間だけ。
そんなお寒い状況の中、最後の8,9日が満室になる地域があった。



長野県諏訪周辺 

7年目毎に1度の大祭「御柱」
8,9,10日に下社での里引きが行なわれた為である。

下社 建て御柱

インターネットによる情報は、行楽者を同じ思考、同じ価値観へと導くことに成功している。
つまり、スポットの当たる所だけが、今まで以上に行楽客が殺到しているのである。



前回までの御柱際では、下社の山出しにおけるハイライトでもある「木落とし」の写真が利用されていた。
しかしながら、この「木落とし」を観るにはアクセスが悪いうえに、観覧する場所が少ない為、地元の氏子(うじこ)すら入場規制となる始末。


誘客しながら、現地では入場規制で遠目に眺める事も出来ぬようでは失礼となり、今回からは、里引き(建て御柱)をよりPRしたと伺う。


甲斐あって、5月8,9,10日の下社里引きには、延べ44万人との事。
宿泊施設にとって、例え100万人行楽客がお越しいただいても、その日に提供できる部屋数は増やせない。
ならば、連休やイベントは分散化した方が、行楽客の為にもなる。
(あくまでスポットのあたる地域や、一部の人気宿泊施設の話である)
上社 木落とし 前一

次回の御柱は2016年

その時には、3Dテレビが各家庭にも普及し始めているのだろうか?。

2010年5月11日火曜日

C-REX

前回の続き

旅館・ホテルではもはや当たり前と思っていたが、
存じない方が多かったので詳細を。


通常クレジットトカード会社と宿泊施設(店舗)は加盟店契約を結び、カードの利用料に応じ手数料がきまる。概ね4・5%位が大半でなかろうか。

前回記した、C-REX(シーレックス)は、JTB商事が基本契約のある施設向けに提供しているカード決済端末であり、VISAやマスターが低率2,5%で利用できるのが、最大の売りである。残念ながら、AMEX、JCBは、個別契約の手数料率のまま。

また、JTBとの基本契約が無くとも、全旅連(全国旅館生活衛生同業組合連合会)加盟でも恩恵を受ける事が出来るので活用しない手はなかろう。
最近では、中国政府が発行している銀聯(ぎんれん)カードすらC-REXで決済可能となった。


7月より、ビサ発給条件が緩和され、中国からの個人旅行が大幅に行なえる状況となる。

旅館・ホテルを問わず、アジア圏からの宿泊客を顧客として迎え入れるには時間がかかる施設も、
先ずはクレジットカード払いを当然の仕組みと捕らえなければなるまい。



今年のGWの傾向として「楽天トラベル」や「じゃらん.net」からの予約にて、ワンショト予約が目に付くようになってきたと感じたのは私だけだろうか?
GWの真っ只中 住所もメールアドレスも無く、ただ携帯電話のみの表記しか無ければ宿側としてはイタズラ予約では?と心配になる。


オンラインによる事前カード決済


宿泊業界に限らず、また、企業間取引にも浸透し始めている。                                              
                           
時折、カード決済のデメリットとして、キャッシュフローが悪くなる点を挙げる方がいるが、現金仕入れが原則の飲食店でなければ然程の影響はない。
むしろ宿泊施設にとって最大の懸念材料は、お金の流れが逆になる事。
肝に銘じて付き合うしかなかろう。